今でこそ「貧乏から成り上がり、会社2つ経営、年商◯億円」なんて言ってますが、
昔の私は本当にすっからかんでした。
親の実家に間借りしながら、
車庫が遠いからほぼトラックで寝泊まり。
何年も、マジでトラックが自宅みたいな生活。
でも当時の私は、それが当たり前になってて、
いまや「1ヶ月くらい車中泊?全然余裕」です。
で、そんな貧乏時代。
実はそれなりに稼いではいたんです。
でも、財布の中はいつも空っぽ。
理由は一つ。
パチスロ北斗の拳。
もともとゲーム好きで、
パチスロなんて興味なかったのに、
積込先で仲良くなったドライバーさんに連れていかれて、
そこで出会ったんですよ——
激強のケンシロウ。
777が揃いまくり、ラオウは倒れ、
数千円が10万円以上に。
完全にハマった私は思いました。
「これ、いけるやつだ」
…いけませんでした。
そんなある金曜日。
その日は週末連泊便。
でも、財布の中は2,000円だけ。
このままじゃ宿泊中に餓死する…!
優しい会社が給料前借りをOKしてくれて、
私は思ったわけです。
「これを10倍にして、週末豪遊だな」
秋葉原のホールへ突撃。
全フロア北斗の拳、まさに修羅の国。
「対戦よろしくお願いします」
サンドに万券をねじ込み、
いざ、ケンシロウ再覚醒!……のはずだった。
777が出ない。
やっと出ても白オーラ。
そして迎えたラオウ戦——
ケンシロウ、チャンスのパンチ一発で沈む。
そして聞こえてくるあの名セリフ。
「うぬのチカラはその程度か」
いや、ほんとそれ。
それ、今日の自分にブッ刺さってますラオウさん。
財布は完全に空。
追加の前借りも頼めない。
こうして始まった、
所持金13円での週末サバイバル生活。
場所は日本平サービスエリア。
救いは食堂の無料のお茶だけ。
あとは持ってたノートPCとゲーム機で暇をつぶしながら、
ひたすら耐える2日間。
もはや修行。
月曜になり、
空腹のまま出発して高速道路を走っていたら——
「ベルトー!!つけてーー!!!」
隣のトラックから怒鳴り声。
そう、私は…
シートベルトを締め忘れていた。
ケンシロウは当たらなかったのに、
違反だけはキッチリ大当たり。
トホホ。
でも、そんな日々があったからこそ、
今は何事もないように一生懸命働いてます。