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2025.04.17   スタッフブログ

言葉はいらない。プロ同士が交わした“深夜の無言の会話”

ある日の運行中の出来事。

トレーラーや大型トラックにとって、
一定速度で走るのは安全と燃費の両面で“プロのたしなみ”。

特に大手企業の車両は社速厳守が徹底されていて、
ほんの1km/hのオーバーでも指導対象になる世界。

この日も、
大阪から東京へ向かう途中、元請けの大型トレーラーが
3車線の真ん中を律儀に走っていた。

「ん?80km/h縛りなのに…なんで真ん中?」

よく見ると——
左車線の4トントラックが速度ガタガタ

70km/hに落ちたと思えば、90km/hに急加速。
おそらく高速に不慣れか、周囲の流れを読めてない様子。

その横で、トレーラーは追い越せず・戻れず
長時間の並走を強いられていた。

こりゃ気まずいしストレスも相当だ。

よし、一肌脱ぐか。

アクセルを踏み込み、右車線からスッと2台を抜く。
パッシングとハンドサインで合図。
トレーラーの鼻先を軽くかすめながら、4トン車の前に入り込む。

そこからじわじわ減速——78km/hに落とす。

トレーラーが自分の横まで並んできたタイミングで、
ライトをスモールランプに切り替える。

「どうぞ、入ってください」

無言のプロ同士の合図。

トレーラーが前に入り、
ハザードが“多め”に点滅。

(※多めは“深い感謝”の意味。たまにただの消し忘れもあるけど)

こっちも窓から手を上げて返礼。

封印の形で、同じ仕事をしているのがわかる。
だからこそ、わかり合える瞬間がある。

言葉じゃない。
ハンドルとウインカーとヘッドライトで交わす、
深夜のハイウェイでの無言の会話。

それが、
トラックドライバーの“かっこよさ”なんだよな。

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