「あれ、ここ…どこだっけ?」
若かりし頃、まだひよっこドライバーだった私。
目的地は大宮だったはずなのに、
気がついたら——三郷にいた。
「えっ!?だいぶズレてるやん…」
一瞬、何が起きたのか分からず。
でもすぐに思い出した。
そうだ、居眠り運転してたんだ。
血の気がサッと引く。
しかもこれ、走行中の話。完全にアウト。
思い返せば、
名古屋から大宮へ向かっていたはず。
首都高に入り、3号渋谷線 → 都心環状線 → 5号池袋線へ。
池袋あたりから記憶が…無い。
ここ数日、荷卸しが立て込んでて、
連日の睡眠時間は3時間ほど。
完全にナポレオン気取りだったけど、
あの偉人は何で平気だったのかと妙に感心したのを覚えてる。
で、さらに思い出す。
当時できたばかりのC2中央環状線。
今では山手トンネルを通って湾岸線まで繋がってるけど、
その頃はまだ“真新しい道”。
たぶん私は——
環状線をぐるぐるしながら、眠気でフラフラ走ってた。
深夜、車が少なかったのが不幸中の幸い。
ようやく状況を理解した私は、
「さて…どう戻るか」を考える。
当時、カーナビなんてまだまだ高級品。
ドライバーは地図を数冊持ち歩いて運行する時代。
地図を開いて確認、
よし、三郷から都心環状→池袋線へ戻ろう。
今度は寝ないぞ。
そんな感じで余分にぐるっと一周走った、ある深夜の出来事。
後日この話を社長にしたら、
頭をペチペチ叩かれてこう言われた。
「寝るのも仕事だ、バカヤロウ」
ほんとその通りです。
あの時からずっと、
「睡眠不足は事故のもと」って教訓を忘れてません。