【現場と経営の狭間で思うこと】
ドライバーの“設定”と、転生先がなくなる未来の話
つい最近、地域の運送会社の社長さんたちと集まる機会があった。
共通の話題は、これ。
「大型ドライバーがいない」
2024年問題の影響で稼げなくなり、
平均年齢50歳の大型ドライバーはもはや絶滅危惧種。
昔、自分が地獄みたいな長距離運行をしていた頃と比べると、
今の仕事はゲームで言えばベリーイージーモード。
(もちろん、実際に遊んでいるわけではない)
それでも辞めてしまう。続かない。
厳格な時間制限のせいで「自由に走る」魅力は消え、
法律を守れば守るほど稼げない。
稼ぎたい人ほど、
トラックを降りて軽貨物やタクシーへジョブチェンジしているという話も聞いた。
集まりの場でわかったのは、
どこの会社も、ドライバーが短期離職しているという現実。
ドライバー不足で待遇が良くなる一方、
“渡り鳥”のように職場を飛び回る人も増えている。
会社としては笑えない。
定期案件を荷主さんから預かっている身。
突然辞められたら、自分たちが現場に出るしかない。
昼は経営、夜はハンドル。
寝る時間なんて、ない。
ドライバー目線で考えてみる。
最初から高待遇、上限に近い給料が提示され、
昇給はどこもほとんどない。
となると、半年働いて有休消化して転職。
これが一番“得”という計算も成り立つ。
しかもベテランであれば引く手あまた。
前職で事故や飲酒があっても、バレないことが多い。
何かあったら“転生”すればいい。
まるでライトノベルみたいな転職戦略。
でも、今この業界で実際に起きていること。
会社としては本音を言えばつらい。
数人採用して、
ようやく1人だけ定着する。
まるでパチスロの設定狙い。
継続しない人ばかり。設定1ばかり。
これ、自分の会社だけの話かと思ってたけど、
他社も同じだった。
物流崩壊は、
2030年の“未来の話”ではなく、すでに始まっている。
輸送力が30%足りなくなると言われてるけど、
もう今、すでに足りてない。
ドライバーの皆さん。
あなたの設定は、1ですか?6ですか?
会社を見極めるのも自由。
でも、会社もまた、ドライバーを見ている。
立ち行かない運送会社はこれからもっと増える。
“転生先”だって、いつまでもあるわけじゃない。
自分の人生、大事にしてほしい。