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2025.04.10   スタッフブログ

【実話】スポーツカーに幅寄せされた先輩が“覚醒”した話

【実話】静岡の仙人と、深夜の高速で先輩が覚醒した話

ある日のこと。
静岡の現場に集まっていたのは、平均年齢25歳という若手の猛者集団

30歳を超えると、あだ名に「爺」がつく。
それくらい若くて荒い。
だけど同年代の倍以上稼げる“勝ち組職業”。


そんな中、1人だけ空気の違う男がいた。
年齢60オーバー。伝説の仙人。

若い頃はオート三輪に乗っていたという、生ける運送業の歴史書。
トラック一筋、ずっと現役。

その腕がとにかくすごかった。


この現場、
12m×2.5mの大型車をドアミラー同士がかすめるレベルの隙間に止めなきゃいけないという地獄のような難所。

普通なら数回切り返して、
車体を垂直に起こしてからバック。
でなきゃ隣にガチでぶつかる。

でも、仙人は違った。

位置合わせ一切なし。
直角90度を自然に決める。
無音で決まる“曲げバック”。

達人すぎて、未だに語り草。


そんな現場にいた、もう1人の名物。
イケイケ先輩。

会社的には改造禁止。
でもバレないギリギリを攻めるセンスのいいカスタムで、
**「ちょっと粋なやつ」**として現場で人気だった。


その日も出発は50台以上。
一斉に走ると、信号ひとつで600m渋滞。

走るだけで存在感。
そして高速も、そのまま全員でズラリ。

みんなリミッター付きで走るから、
車間も速度もほぼ一定。
トラック乗りからすれば普通の日。

でも、そこに奴が現れた。


“頭文字D”から飛び出してきたようなスポーツカー。

走り屋気取りの車が、
前がつかえてることにブチギレたのか
鬼パッシング&連打クラクション。

ちょっと前を走っていたイケイケ先輩にも連打。
でも先輩は隣のトラックを抜ききるまで戻れない。
トラック乗りならわかる話。

でも“頭文字”はそれすら待てない。
トイレか?イベントか?とにかく荒れてる。

自分はちょうど同じ便の仲間と通話中。

「なんかヤベーやつ来たんだけど」
と実況開始。


で、事件が起きる。

先輩がようやく譲ったその瞬間。
スポーツカー、先輩に幅寄せ。

……っっっ。

先輩、完璧にかわす。
そこからは先輩のターン。

ハンドルをスッと戻し、
頭文字の車がギリギリ抜ける幅までじわじわ寄せる。

深夜の高速、総重量20t超の圧が襲いかかる。

今なら交通系YouTuberにバッチリ晒される案件。
でも当時は、現場のリアルな“躾”。

電話の向こうでは仲間が爆笑。

「先輩、やってるわwww」


結局、頭文字はアクセル踏んで逃走。
刺激していい相手じゃないって気づいたらしい。

総重量20トンに喧嘩売るの、
マジで命知らず。


数日後。現場で先輩に会った。

「潰してやればよかったんだよな」
とサラッと言ってた。

いや、無事でよかったっす先輩。

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